世の中には、英語勉強法は無限にあり、新しいものが現れては消えていきます。
奇抜なものから、昔からある方法の名前を変えただけのものまで、英語に悩む人たちをさらに悩ませます。
まずは以下のものはすべて避けるのが無難です。
簡単さをアピールする英語参考書
「〜だけで身につく」→身につきません。言語は読む・話す・聞く・書くなどからできる総合的活動です。万能薬はありません。
「すぐにできる」→言語は長期にわたる勉強が必要です。だから、達成した時の楽しさがあるのです。
「○分間で」→人間の脳はそう簡単には変わりません。自分の性格だって全然変わっていないのではないでしょうか?
youtubeの英語チャンネル
Youtuberが嫌いな訳ではありません(笑)素晴らしい英語力をお持ちの方もたくさんいます。ただ、英語力を高めたいという人には、気晴らし以上の意味はありません。
体系的ではない
Youtuberも仕事なので、定期的に動画をアップしないと飽きられてしまいます。
常に新しい話題を提供しなければならないというプレッシャーがあります。だから、どうしても英語トリビアみたいなものを小出しにしがちです。
ただ、これは英語学習者にとっては必ずしも良いことではありません。
様々なテーマが雑然と並んでおり、例え「入門」と名付けられていても、体系的とは言えません。
その意味で、やはり本の方が圧倒的に体系的で、中身が詰まっていると言えます。
英語学習者にとって最も気をつけなければならないのは、重要な項目を逃したまま間違った理解を持ち続けることです。それを避けるためには体系的にできるだけ漏れなく学習することです。
動画を見るのは時間効率が悪い
上の内容とも関連しますが、Youtubeは映像ですので、気楽に見れるというメリットがありますが、それは裏を返すと内容が薄いということです。
一本が10分として、その同じ時間で参考書を読んだらはるかに深い知識が得られます。
もしくは、問題を解いたら、そこそこの数がこなせます。
やはり受動的な学習は効率が悪いと言わざるを得ません。
通勤・通学などで、どうしてもダラダラと時間を使ってしまう時にだけyoutubeを見てもいいかも知れません。
信頼できる人かどうか見分けにくい
Youtuberも色々いますので、本当に英語や資格試験のことを分かっているのか疑わしい人もいます。
誰かが言った内容をそのまま借用している人もいますし、英語を話しているシーンも何度でも撮り直しができますから、本当に上手に話せたものだけをアップしている可能性もあります(というかそうです)。
もちろん、有名な人のyoutubeチャンネルだけを見るのもいいのですが、上の理由であまりお勧めしません。
はっきり言って、ほとんど時間の無駄です。
短期海外留学
留学すれば英語が話せるようになるという話はよく聞きますが、大いなる誤解です。
私は全く伸びなかった
個人的な話で申し訳ありませんが、大学一年生の時、オックスフォードへ2週間の語学留学に行った私が言うのですから間違いありません(笑)
もちろん、知り合いはできましたし、オックスフォードの歴史的町並みを堪能できたので、無意味では全くありません。
オックスフォードにある「アリス・ショップ(Alice’s Shop)」(不思議の国のアリスのグッズ店)に行ったら、店員が日本人で「いらっしゃいませ」と言われた時は衝撃を受けました(笑)
※ちなみに、店名には ‘s とつくことが多いです。エコバッグで有名な Trader Joe’s もついてますよね。
でも、英語力は別に伸びませんでした。
二週間くらいでは英語力は伸びない
そもそも、英語力は二週間くらいでは伸びません。いや、かすかには伸びていますが、感じられるほどには伸びません。
また、語学学校では普通にテキストをネイティブが解説するだけで、それだったら日本にいても自分でできるものばかりです。
日本人が語学学校に行くと、クラスメートは、日本人やアジア系の人ばかりで、肝心のインプットが入ってきません。
短期海外留学を勧めるのは不誠実
多くのブログでは、バリ島などの短期海外留学が勧められていますが、基本的には商売と思って間違いありません。
私は短期での留学は意味がないという立場ですので、一切お勧めしません。
英語圏の教科書を教材にするもの
「日本人は勉強しなくても日本語がしゃべれるのだから、英語圏の子供と同じようにすればしゃべれるようになる」という主張があります。(イマージョン教育 Language Immersion と言ったりもします)
それをベースにした勉強法が「英語圏の子供が使う教科書で学ぶ」というものです。
ただ、考えて欲しいのですが、産まれた瞬間から周りの人全員が英語を話し、保育園や幼稚園でシチュエーションごとの英語の使われ方を経験し、友達や親からも間違いを直される状況を作ることは、日本にいては不可能です。
そもそも、日本語を学びたい外国人に、日本の小学校の国語の教科書を勧めたいでしょうか?
これもアピール力はありますが、避けるべき勉強法の典型です。
有名人のスピーチを教材にするもの
実は私も大学生の時に試してみて、見事に挫折しました。ア○クが出している教材をやってみたのですが、量も膨大だし、自分でペースを作ることも、伸びた実感もなく終わってしまいました。
スピーチは日常会話とはかけ離れている
スピーチと言えば、最近ではスティーブ・ジョブズがよく取り上げられます。
有名なスタンフォード大学の卒業式での講演です。
こんな格好いいセリフを吐くことは人生であるのでしょうか?(笑)
真面目な話をすると、有名な “connecting the dots” 「点がつながって線になる」みたいなレトリックを我々一般人が使える必要はありませんし、それをシャドーイングしてもほぼ応用できません。
もちろん、教養として知っておくのはいいですし、話題になることも多いと思います。
ただ、英語をしゃべりたいという人にとっては、日常会話とかけ離れたスピーチを勉強するよりも先にすることがあると思います。
また、キング牧師の”I Have a Dream”も有名ですが、これも避けるべきです。
かつて教えていた塾でこれを題材として取り上げていましたが、何も知らない生徒が台詞を真似て、”Negro”という差別語を使っていて、担当講師が激しく動揺していたのを鮮明に覚えています(笑)
このスピーチは1963年8月28日のもので、いまから60年以上前の事です。
英語表現も今とは違いますし、キング牧師は意図的に”negro”という言葉を使っていました。
ですので、英語学習者が何も知らずに真似をすべきものではなく、あくまで教養に留めておくべきものです。
偉人と自分とでは立ち位置が違いすぎる
そもそも、スティーブ・ジョブズは伝説的起業家ですし、キング牧師は公民権運動の象徴かつ暗殺されて歴史に名前を残しました。他にも、J・F・ケネディのスピーチも有名ですが、大統領です。
凡人の我々がそのような人の立場に立つことはまずありませんし、逆にそのような話し方をしたら不快感を与えるのではないでしょうか?
私たちは、普通のネイティブが普通に日常で話す表現を身につけることで、多くの人とコミュニケーションできる英語力を身につければいいのです。
まとめ
英語学習において、まずは避けるべきものを列挙しました。
・簡単さをアピールする参考書
・英語関係のyoutube
・短期海外留学
・英語圏の教科書を教材にするもの
・有名人のスピーチ
本当に色々な勉強法が雨後のタケノコのように現れ、学習者を悩ませます。
まずはこれらを避けてみて、自分の目的に合った勉強法だけに集中すれば結果も出ると思います。
手を出しすぎると結局失敗しますので、まずはこれだけは避けるべきというものを取り上げました。
参考になれば幸いです。