あまり需要はないと思いますが、2024年にTOEIC990点を取った時、試験中にどういうことを考えていたのか、どれくらいの正答率だったのか、Readingパートで何分余ったのかなどについて書いてみようと思います。
TOEIC990点を目指している人の参考になればと思います。
ちなみに、私はTOEIC講師ではなく、テクニックは何も持っていません。普通に設問を解いただけです。
講師としても、あまりテクニックに走らない指導をしていますので、実際の英語力があればTOEICで990点を取れるということをお見せできればと思います。
Listening Part
多くの人はリスニングパートを得意としていると思いますが、私はこちらの方が満点を取る自信がありませんでした。
10年前にTOEICを受けた際も、リスニングパートは465点だったので、苦手意識がありました(嫌味ではありません)。
その分、事前準備をしてから臨みました。
事前準備
TOEIC講師ではないので、そもそも傾向を知りませんでした。ですので、一冊本を買って勉強しました。
たぶん有名な本ですが、「極めろ!TOEIC L&R TEST 990点リスニング特訓」(著者:八島晶)をやりました。
Amazonのレビューでも書かれていますが、時々「これはおかしいのでは?」という設問がありました。
ただ、Part 1〜Part 4まで毎回12問にまとまっていて、それが50セットあるので、毎日やるには最適でした。
正答率的には、大体11/12問という感じでした。10問正解の時も数回ありました。
英語のなまりも強めで、スピードが非常に速いナレーターもいるので、毎回満点は相当難しかったです。
実際、本番の問題とのレベルのギャップが大きすぎて、逆に本番で困惑した時がありました。(以下のPart 4の感想を見てください)
もちろん、本番よりも相当速いので、高地トレーニングと思ってやるのはありですが、リスニングパートで450点は取れていないと意味がないような気がします。
試験本番
Part 1
写真があるので、特に難しいとは思いませんでした。
ナレーションの最初でぼーっとしていて、焦った時がありました。出だしは特に重要なので、全神経を集中させましょう。
【正答率】100%
Part 2
少し間違ったようです。詳細はあまり覚えていません。「うーん、微妙」と思った設問があったので、その辺で間違えたのだと思います。
また、選択肢を変えてしまったものがあり、これは反省すべき点でした。
試験で最初に選んだ選択肢を変えてはいけないというのは定番ルールです。
音声を聴いていて最初に選んだものは、無意識的処理も含まれているので正しい可能性が高いからです。
少し時間が経ってから文脈がない状態で考えると、大体間違います。自分の好きなように解釈できてしまうので、他の選択肢も正解に見えてしまうのです。
最初に選んだ選択肢は変えない!
【正答率】2問ミス?
Part 3
設問の先読みを頑張りすぎて、それをやっているうちにナレーションが始まって、追いつくのに必死な状況になったのを覚えています。
こうやって書き出してみると、結構ぼんやりとしているなと反省です。
ただ、会話だと自分の勘違いを修正する時間があるので、ちょっと余裕があったと思います。
普段からドラマなどでもっと高速の会話を聞いているので、別のことを考えながらも普通に聞き取れますし、一瞬遅れて聞こえたことを振りかえることもできるので、余裕を持てるくらいのリスニング能力(処理能力)を持つのが満点の前提だと感じました。
【正答率】100%
Part 4
長めの会話で、一つの会話あたり設問が3つあるので、流れを見失うと大変でした。
設問も先読みしていたので、本当に忙しかったです。
そういう意味では、読解力は大切だなと痛感しました。選択肢を先に把握できていれば、聞いている途中で解答が分かりますので、楽になります。
あと、驚いたのは、会話中に出ていた表現がそのまま答えになっていたことです。
上記の「極めろ!」をやっていると、嫌らしい設問ばっかりだったので、本番では余りにも解答がそのまま過ぎて、間違っているんじゃないかと逆に疑ってしまいました(笑)
難しい問題ばかりやっていると、基本的な問題が解けなくなるという症状を自分も体験して勉強になりました。
【正答率】2問ミス?
リスニングパート終了後の感想
合計で何問かは確実に間違っていると思ったので、「今回は満点は無理だな」と思って落ち込んだのを覚えています。
世間では、リスニングパート495点はたくさんいるので、すごいなと思っていました。
結果的には、推定4問ミスでも満点になっていました。
リスニングパートは、4問ミスでも満点になることがある。
ドラマの視聴を通して、マシンガンのように話される英語を普段から聞いていると、上でも書いているように、ちょっとつまずいても、聞こえた音を思い出しながら内容を理解できるので、オススメです。
留学生が英語でのコミュニケーションが上手なのは、英語ドラマを聞いているからという発見について書いた記事がありますので、参考にしてください。
Reading Part
大学受験で文法を学び、英語講師になり、授業で間違ったことを教えられないというプレッシャーから、一生懸命文法書などを読んだので、文法・語彙問題は得意だという思いはありました。
また、読む速度には自信がありました。
かつては英語論文を読んだりしていましたし、現在もニュースはほぼ全てCNNやBBCから得ているので、時間が足りなくなることはないと思っていました。
事前準備
なし
解答時間
結論から言うと、75分の試験で15分余りました。
10年前に受けた時は35分くらい余ったので、講師として仕事をしている今の方が時間的余裕がないということは、TOEICが確実に難しくなっていることの証明だと思います。
多くの人はリーディングパートを解き終わらないのではないかと思いました。
試験本番
Part 5
形容詞や副詞の区別、関係詞の問題、純粋に語彙力の問題など、多岐にわたる出題だと思いました。
最近は難易度が上がっているという話を聞いていましたが、本当に際どい問題が何問かありました。
満点を取るには、かなり知識を固めないといけないと思いました。
それ以上に、語彙が結構難しくて、これが多くの人を困らせているような気がしました。
普通に英検準1級の単語よりも難しいものが出題されていました。
【正答率】100%
Part 6
文章中の穴埋め問題ですが、純粋な読解力と言うよりは、文法的にダメな選択肢を排除していく消去法的な解き方も結構求められていました。
また、文章の最後に続く一文を選ばせるなど、内容理解も問うてくるので、ある意味での国語力も必要だと思いました。
国語力(論理的思考力)は中々鍛えにくいもので、これは英語学習者の差に繋がっている気がします。
やはり普段から本を読み、論理展開の把握の練習をしている人は、英語の読解が得意な傾向があります。
どの言語で読もうと、結局は主張があり、それに対する根拠を論理的に述べるのが通常の文章なので、論理的思考力は重要だと感じました。
ただ、TOEICはあくまでビジネスという状況設定なので、相手の意図を汲む方が重要なのは間違いありません。
【正答率】100%
Part 7
情報がやり取りや文書の中に散りばめられているパターンなので、漏れなく読み取るのに時間がかかりました。
いかにも間違えやすそうな出題形式なので、文章や図表の内容を完璧に把握するのは大前提で、その上で、設問を丁寧に読み、ひっかけを選んでしまわないように注意しました。
時間的に余裕があったので、じっくりと考えることができました。(でも間違っていたようです(笑))
【正答率】1問ミス
リーディングパート終了後の感想
やはりTOEICは時間勝負だと痛感させられたので、英語を正確に読む力を養うのが重要だと感じました。
速読法とかを聞いてくる人もいますが、基本的に無意味だと思います。
私は別に英文を読み飛ばしている訳ではなく、本文の全単語を読んでいます。単に知らない単語がなく、英文の解釈を迷わないから速く読めるだけです。
小手先の技術よりも、実際の読解力を高めることが資格試験を超えて役に立つのではないかと思います。
まとめ
受けてみて、とりあえず大変だったなと思いました。
ここまで読まれた方は感じられたと思いますが、別に余裕たっぷりに990点を取った訳ではないのです。
リスニングでは結構落ち込んでいましたし、読解でも時間が意外と厳しいことに動揺しました。
世の中には、TOEIC全問正解(黒帯)の人がいるようで、すごいなと思いました。
上には上がおり、TOEIC満点のその先があるのは言うまでもありません。
私も自分で試験を受けてみて、自分の実力の不十分さを感じましたし、今後の指導をより向上させるためにも、もっと勉強が必要だなと感じました。
TOEIC990点を目指している人は、是非頑張って下さい!